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 幸せなる時間










 ようやくこの日がきた。どれほど今日という日を待ち望んだか。今日10月14日は私の誕生日だ。
 そして朋也との遊園地デートだ。
 そのせいかいつもより支度に時間がかかってしまった。
 朋也は家の前で待っている。
 正直朋也がこんなに早くに来るなんて考えてもなかったが朋也曰く「今日は一秒でも多く智代と居たいから」だそうだ。
 聞いたときはほんとに顔から火が出るかと思った。ほんとに朋也は卑怯だ。
「おーい智代まだか?」
「待ってくれ。後少しだから」
「手伝おうか?」
「すぐに終わるから大丈夫だ……よし完成だ。きっと朋也びっくりするぞ」
「さてと朋也も待ってるし行くかな」

 そして私は荷物を持ち元気良く家を飛び出した。



 また家の中。
 なぜかと言うと私たちは遊園地に行くために駅に行ってたんだが家を出てから5分くらいして雨がいきなり降ってきて、 また智代の家まで戻ってきた。
「災難だったな智代」
「あぁそうだなぁ」暗い顔をして言う。
 すると朋也は私の頬を触って
「こら、智代、せっかくの誕生日なんだからそんな暗い顔すんなよ」
「でも朋也、せっかく休みまでとってくれたのに」
「いいんだよ。遊園地ならこれから先いくらでも行けるけど、今年の智代の誕生日は今日しかないんだから。な、そうだ ろ?」
「あぁ、それもそうだな」  私はとびっきりの笑顔でそう言った。でも朋也は私の顔を見てくれないで顔を赤くして向こう側を向 いていた。
「朋也、ちゃんと顔を見て話そう。何だか嫌だぞ」
「あぁ、そうしたいんだけどさ」
「どうしたんだ?」
 と私が聞くと、朋也は手を頬に当てちょっと困った感じで、小さな声で「前透けてる」と言った。
「えっ!!」
 そして見てみると本当に透けていた。
「朋也、見たのか?」私は向こう側を向いてそう言った。
「あぁ少しな」
「そうか」
 暫しの沈黙
 へっくち
「智代、寒いだろ。家上がらないか?」
「そうだな。ここまで濡れたら風呂に入らなくちゃな」
「風呂はもう沸いてるのか?」タオルで体をふいてリビングに上がってきた朋也が言った。
「あ・待て今沸かすから」
 私は風呂に行って栓がしてあるのを確認して風呂を沸かした。それからリビングに戻り朋也と談笑していると風呂は すぐに沸いた。
「どうする朋也?どっちが先に入る?」
「じゃあ一緒で」
「嫌だ、絶対に嫌だ!」
「わかった。わかったからその脚をしまってくれ。」
「全く朋也は冗談がすぎる。」ちょっと起こった顔で智代が言った。
「ははは、まぁなじゃあレディファーストで智代先に入れよ。」 「良いのか?私は風呂は長いぞ」
「あぁいいよ寝て待ってるし」 「わかった」と言って私は立ち上がり風呂に向かって行った。
「ふああ、じゃあ寝るかな。」
 朋也はそう言うと、そのままソファーで横になって寝た。



 それから1時間くらいたっておきても智代は居なくて風呂の方から音が聞こえる。
「まだ上がって無いのか……確かに長いな。」
「まぁさすがにもう上がってくるだろ。」


 10分ほどして智代が上がってきた。
「ん?どうした朋也?そんなあんぐりとした顔して」
「いや、風呂上がりの女の子は綺麗と言うのはホントだったんだと思って。」
「なっ!ばか恥ずかしいじゃないか!ほらはやくお前も入ってこい」
「はい、はい」
 俺は立ち上がって風呂に向かって行った。


 30分ほどして俺は上がってくると智代は寝ていた。
「朋也大好きだぞ」
「なっ!恥ずかしいなどんな夢見てんだ?」
「まぁ、寝てるとこ悪いが起こして聞いてみるか」
「智代、智代」軽くゆすって起こした。
「ん、朋也?」そして智代はゆっくり起きて
「あぁすまない少し寝ていた」 「なぁ智代?」
「何だ?」
「今夢見てた?」
「えっと、なんのことかな?わからないな」
 これは見てたんだな。
「いやさ、智代が寝言で、その、朋也大好きだぞって言ってたから」
「そんなこと言ってたのか……恥ずかしい」
 顔を真っ赤にして智代が言った。
「で、なんなんだ?」
「言わないと駄目か」
「俺は智代の全てが知りたいんだ」
「ばか、そんなこと言われたら言わないわけにはいかないじゃないか」
 そして智代は緊張しているのか深呼吸をしていた。
「スーハースーハー……よし」
「だがやはり恥ずかしいぞ」
  真っ赤な顔して智代が言う。
「そんなに言いたくないなら言わなくてもいいぞ」
 ちょっと残念だが仕方ないな
「いや、言う」
「そうか!」
「けっ……」
「けっ?」俺は聞き返した
「〜〜〜」顔をさらに真っ赤にして小さく智代がいったが聞こえなかった。
「すまない智代、もう一回大きな声で言ってくれ」
「結婚式だと言ったんだ!!」半ばやけになって智代が言った。
「へっ?誰との?」
「お前だ!お前以外の誰がいる!!」
 俺と智代の結婚式?つまりどういうことだ。え〜と
 考えてる内にどんどん恥ずかしくなっていって顔が赤くなってきた。
「智代、お前よくそんな恥ずかしいこと言えるな」
「お前が言えと言ったんじゃないか!!」智代が怒って言った。
 まぁ確かに言ったけど、そんなこと返ってくるなんて思わなかったから
「すまんな智代」
 とりあえず謝った。
「許せるか!!!」




「智代?智代さーんともぴょんーー」
 智代は部屋の隅で拗ねてしまった。
 外では雨がザーザーと降っている。
「トランプしよ」
「嫌」
「じゃあオセロ」
「嫌」
「じゃあじゃあコスプレ」
「……」
 駄目か。全くどうすればいいんだ?そういえば今日は智代弁当作ってたよな。
 じゃあ、あれを。よし。俺は智代の弁当を取ってきて机に広げた。
「うわぁすごいなぁ。重箱かーこれだときっと中身もおいしんだろうなーー」
 わざと智代に聞こえるように大きな声で言った。
「いただきます。まずはおかずは、う〜〜〜んこの卵焼きめちゃめちゃ美味しいな!!」
 智代がちらちらとこちらを見だした。
「次はおにぎり。うわぁこのおにぎりも上手い、絶妙な塩加減だなぁ、こんな美味しいものがつくれるなんて智代は すごいなあ」
 智代が完全にこっちをみてる。よし後一息だ。
「次はこの肉じゃが……これは美味すぎる!肉じゃがって作るの難しいのに、こんなに美味しく作れるなんて智代は 家庭的だなーー、そしてそんな智代が彼女なんて俺は幸福者だなー」 「これはだな、私の一番の自信作なんだ」
 智代が寄ってきて笑顔でそう言った。
 よっしゃ成功!まぁ、料理ホントに美味くて本心なんだけどな
「ほら智代、箸」  弁当のところにあった割り箸を取って渡した
「ありがとう。後、すまない。へんなことで拗ねたりして」
「気にすんな。俺も悪かった」
「ほら飯食うぞ」
「うん」



「はー食った食った。さすがに二人で重箱はきついな」  食べ終わって床に寝転んだ。
「だが全部食べてくれたんだな」  智代が弁当を台所で洗いながら言った。
「当たり前だろ、智代の手料理なんだから」
「ありがとう朋也」


 智代が洗い物が終わって俺の方にきた。
「さぁ朋也、今から何しようか?」
「うーん……外はこの天気だしな」    外ではいまだに雨が降り続いていた。
「そうだな」
 二人で考えているといきなり空が光った
 ピカッドドン
「きゃっ」
 智代が俺に抱きついてきた。
「智代、怖いのか?」
「いや、違うぞ、ちょっとびっくりしただけで……」
 ピカッドーン
「きゃっ」
「やっぱり怖いんだろ?」
「怖くない」
「じゃあ離してもいいんだな」    笑って言う。 「うっ」  智代がちょっとうつ向いた。
「怖いんだ!だからその……意地悪しないでくれ!」
「智代!」
 おもいっきり智代を抱き締めた。
「やっぱりお前可愛いな」
「ば・ばか、照れるじゃないか」
「智代、まだ怖いか?」
「いや、暖かくて気持ちがいい」  首を降って答えてくれた。
「そうか、そりゃよかった。俺も暖かいよ」
「朋也……なんだか眠たくなってきた」  眠たそうな声で智代が言う。
「そうか……実は俺も眠たくなってきた……」
 雨が降り続くなか二人は抱き締めあって寝ていた。



「朋也、朋也」
 誰かに呼ばれた気がしたから眼をあけると、眼の前に智代の顔があった。
「うおっっ」  俺は跳ね起きた。
「はぁ、ようやく起きたか。全く朋也はねぼすけだなぁ」  ため息をついて智代が言う。
「で智代、今何時だ?」
 智代は何も言わずに時計を指差した。
 時間は7時
 もう外は真っ暗だが雨は止んでいるらしい。
「智代、梯子あるか?」
「どうしてだ?まぁ倉庫にあると思うが」
「そうか。智代、ちょっと厚着をして待っててくれ。すぐに呼ぶから」  俺は笑って言う。
「??わかった」  智代はなにがなんだかわからないけど服を探しに行った。
「さてと俺も行くかな」  上に服をきて外に出た。

「え〜と倉庫、倉庫と、お!あったあった」
 梯子もあるな。
 そして梯子がしっかりしているのを確認して梯子を家にかけた。
 そして家に戻った。

 家に戻ると智代が玄関で待っていた。
「智代、準備はいいか?」
「まぁ大丈夫だが、結局何をするんだ?」
「まぁついてきてくれ」
 そう言って家を出た。

 そしてさっきの梯子を掛けたところに来た。
「智代、今から梯子を登るからついてきて」
「あぁわかった」
 そして梯子を登って屋根に出た。
「ほら智代、上を見てみろ」
「うわぁ……凄いな」
 ほしが輝いていた。
「地上から見るのとまた違うだろ」
「うんそうだな。だが寒いな」
「ほら智代」俺は着ていた服をぬいで智代に掛けた。
「ありがとう……だが、これじゃ朋也は寒いんじゃないか?」
「大丈夫おれは暑が……へっへっへっくしょん」
「やっぱり寒いんじゃないか!ほら返すぞ」
「ごめん智代」
「朋也が謝ることじゃない。あ、そうだ、いいこと思い付いたぞ。ちょっと待っててくれ」
「あ、あぁ」
 そう言って智代は梯子を降りて行った。
 五分ほどして智代が手に毛布を持って戻ってきた。
 そして二人で一つの毛布にくるまった
「ほらこうすれば寒くないだろ」  笑顔で言ってきた。
「あぁそうだな」
「綺麗だな」
「あぁ綺麗だな」
「智代」  肩を叩いて呼んでみた。
「何だ朋……」  振り向いた瞬間に口と口を合わせた。
「むーーーぷはぁ」
「いきなりするなんて最悪だ」
「いや、星を見る智代があまりにも可愛すぎてつい」
「みえすぎたお世辞などやめろ!」
「本心だよ、智代」
「うるさい、黙れ!恥ずかしいじゃないか」
「じゃあ今度はちゃんと言ってするよ。智代、目を閉じて」
「あ、あぁわかった」
 そっと目を閉じる。


 いつもなら直ぐにしてくるのに今日はしてこない。
 心配になってくるが直ぐに朋也の手が私の手に触れる。少し冷たい
 なにかひんやりとしたものが指に当たった。
「智代、目をあけて」まだキスをしていないのに朋也がそう言ってきた。
 そっと目をあける。
「智代、誕生日おめでとう!」
「ありがとう朋也!」
「後、智代、左手の指を見てくれないか?」
 私は左手の指を見てみた。そこには指輪がついていた。
「智代、これが俺の気持ちだ!結婚しよう!」
 朋也に抱きついたその後、涙が出てきた。
「わっ!智代泣くなよ」
「うんだが今は泣かずにはいられない……ずっとこうして朋也にプロポーズされるのが夢だったから……うわぁーん」
 近所のことも考えず泣いてしまった。

 十分くらいしてようやく落ち着いてきた。
「落ち着いたか?」
「あぁ……もう大丈夫だ」
「それで、その、答えは……?」  そんなもの決まっている。当然……

 五ヶ月後そこには夢と同じように私と朋也がいた。





ひとこと
長々と駄文ですみません。智代の夢は正夢ということで。最後まで読んでくれた方ありがとうございます! そしてクロイ≠レイさんこういう投稿の機会を与えてもらいありがとうございます。
最後に来年もこうして祭りを行えたらなと思いました。ありがとうございした!!    龍龍

 

 

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